205号(201410) リストに戻る

真のまほろばを求めて〜大仏建立の精神に学ぶ〜

 第37回「志ネットワーク全国会議」(上甲晃先生の主宰)が10月3日(金)・4日(土)、「日本のまほろば」古都・奈良で開催され、出かけてまいりました。「まほろば」とは、古事記や万葉集に出てくる言葉で、「周囲を山々で囲まれた、実り豊かな土地で美しく住みよいところ」という意味だそうです。(ちなみに、スケールと認知度ではいささかマイナーの感はありますが、我が山形の高畠町も"一万年の歴史・温かい心・みどり豊かな豊穣の里"として「まほろばの里」宣言を行っています。)
 さて、奈良には世界遺産となっている、東大寺の大仏、薬師寺、法隆寺など定番の観光スポットがいっぱいありますが、全国会議の初日は、東大寺の造立と復興に尽力された歴史上の人々と出逢うことから始まりました。ナビゲーター役の西山厚先生(元奈良国立博物館学芸部長)には、奈良の魅力を存分に語っていただきました。歴史上の人々とまるで心を通わせたかのような語りは心に残るものでした。その上、大仏殿では、特別に蓮華座間近に登壇しての参拝もできました。
 ところで、奈良のシンボル的存在である大仏殿と大仏さまは、今からおよそ1300年前に、聖武天皇(しょうむてんのう)の願いから、7年の歳月を経て752年に完成しました。高さが約15メートルもある大きな仏さまであることから『大仏さま』と呼ばれていますが、正式な名前は『盧舎那仏(るしゃなぶつ)』といいます。大仏殿の方も、今でも世界最大の木造建築物であり、最高級の美術品と評価されています。
 創建当時の天平時代は、正倉院宝物に代表されるように華やかな時代でしたが、政治的な争いや、かんばつ・ききん、凶作、地震、天然痘の大流行など、とても苦しい時代でもあったそうです。そこで聖武天皇は、"民が苦しむ原因は、自身の治世の拙さ故の天罰と悟り"、大仏建立で天の許しを請うたそうです。そして、国民も天皇の気持ちを理解し、当時の日本の総人口500万人のうち260万人もが、一本の草木を持ち寄ったり、一握りの土を運んだりして、"聖武天皇の想い"に応えたそうです。つまり、仏教の根本経典といわれる『華厳経(けごんきょう)』を政治の中心にすえて、人々の心が思いやりの精神でつながることができるよう、さまざまな政策を実行していったからに他ならないとのお話でした。
 今回の全国会議のメイン会場となった「奈良ホテル」は、明治42年開業の関西の迎賓館といわれた由緒あるホテルでした。いささか古さの感じられる"クラシックホテル"でしたが、アインシュタインやオードリー・へプバーンなどの海外のVIPを始め、日本の皇族方が奈良にお越しの際も泊られるそうです。(設計は、あの東京駅を作った近代建築界の大御所・建築家の辰野金吾とのこと。)
 翌日からの「大阪掃除に学ぶ会」の年次大会に参加のため、1日半の奈良滞在でしたが、高校3年の修学旅行以来の"奈良の大仏さま"は、古稀を前にした私に、半世紀ぶり「何か」を語りかけてくれたような気がいたしました。

黒沼 範子


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