217号(201510) リストに戻る

ラグビー日本代表の活躍から見るニッポンという国の形〜「旧体制」の終わりを告げたホイッスル〜

 「史上最大の番狂わせ」と世界を驚愕させた、ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本代表の南アフリカからの勝利。ラグビー伝来以来、最大の事件ともいえる一戦は日本のラグビー界の記念碑となるだけでなく、「日本の形」に思いを至らすほどのインパクトを持っている…、とスポーツライターの東風田邦夫氏が論評を寄せています。
 英国で行われているW杯。1次リーグ第2戦となるスコットランド戦では敗れ、決勝トーナメント進出は楽なことではないと痛感させられたが、南ア戦の勝利の価値は変わらない。(第3戦目のサモア戦も圧勝)… ラグビーに関心があった人もなかった人も、国籍に対して極めて寛容な参加資格要件に目を向けたことであろう。(代表31選手のうち、10人がニュージ―ランド、トンガ、オーストラリアから日本に来た人々)…こうした陣容については複雑な心境が関係者の間にもあったらしい。…「自分の考えも変わった。これまで『日本人のための』『日本人にとっての』と考えていたが、国籍や人種の論争はさまつな話だと感じた」(ヤマハ発動機・清宮克幸監督=早実の清宮幸太郎君の父君)…日本生まれの選手を含め、みんなでボールをつなぎ、みんなで体を張って守ったプレーの気高さ、力強さ、一体感の前には国籍へのこだわりなど、消し飛ばされてしまうのだった。… この代表チームの「ありよう」は、少子化で先細る日本という国が、将来にわたって活力を保つにはどうすればいいのか、移民政策はどうあるべきなのか、というテーマの暗喩(あんゆ)となっている。…おりしも、中東やアフリカから逃れる難民の受け入れ体制が、世界的な懸案となっている。日本だけ「我関せず」でいいのか…。(但し、先月末訪米した安倍首相は970億円の難民支援(お金で解決?)を国連総会で表明したところでしたが…)特に国の先行きについて責任をもっている政治家や官僚は…あえて飛躍的想像力を働かせて、この歴史的勝利をとらえてほしいものである。
 同様なコメントとして、日刊スポーツに掲載された荻島弘一氏の論評がありました。
 数あるスポーツのなかでもラグビーはアマチュアリズムを最後まで信奉していた団体であり、日本のラグビーは技術的にも人気の上でも早慶明を中心とする大学ラグビーに負うところが大きかった。明治期のラグビー伝来以来、日本のラグビーはここが頂点であり、ラグビー協会の要職も伝統校の出身者で占められてきた。国内で完結した、完全ドメスティックなヒエラルキーこそが、こと国際舞台となると日本の前進を妨げる障壁として立ちはだかっていた。日本のラグビーは先ごろまで明治時代を引きずっていたのかもしれない。
 その組織には、のっぴきならないエリート意識もあいまって、いまだに長州だ、薩摩だという声が聞こえてくる政界の藩閥体制にどこか通じるものがあった。日本の歴史的勝利を告げたノーサイドの笛は日本の下地となってきた旧体制にエディー(ジョーンズヘッドコーチ)ジャパンが風穴を開けたことを告げる笛でもあった…。
 "スポーツや学術文化が、国のありようまでも代える力になる"と私も確信したところであります!

公認会計士 黒 沼  憲


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