221号(201602) リストに戻る

映画"海難1890"から学んだこと

 昨年末、125年前(明治23年の夏)に起きた海難事故を題材にした映画が話題を呼びました。当時のオスマン帝国(いまのトルコ)の軍艦「エルトゥール号」が紀伊大島沖で台風に遭い、587人の乗組員が犠牲になりましたが、現場近くの村民が懸命の救助を行い、69人トルコ人の命が救われました。(その後、日本の軍艦二隻で彼らを本国に送り届けている。)この出来事がトルコの人々の胸を打ち、その後の日露戦争の勝利もあって、日本人への敬愛は増していったそうです。 それから95年後、イラン・イラク戦争でイランの首都テヘランが空爆され、駐テヘランの外国人はパニックに陥った。それに対し、欧米各国は次々に救援機を派遣して自国民の救出に当たったが、日本から救援機は来なかったのです。日本は邦人救出に尻込みし、政府専用機や自衛隊機を現地に飛ばすことをしなかった。 逆に、ある民間が、親交のあったトルコの首相に頼み込み、トルコ航空の救援機派遣が実現したのです。トルコ政府の「エルトゥール号」の恩返しでしょう。それにより、テヘラン在住の200人の日本人がトルコ航空機で救出された。こうして日本とトルコの熱い友情交流が、いまも語り継がれているのです。
それにしても、国家にとって最も大切なものは国民の「命」ではないのか! 自国民の救出、それが世界の当たり前の感覚であり、国際的な常識というものではないでしょうか。
 ところで、一昨年の夏、甲子園で大活躍した山形中央高校野球部の全員が、庄司監督とともにこの映画を鑑賞されました。たまたま私が推薦させていただいた経緯もあり、全員の感想文を読むことができました。若い高校生が、この映画をどのように感じたのでしょうか。みんなが共通して取り上げているのは、「真心」の大切さでした。「どこの誰か分からない外国の人を、自分の命を犠牲にしてでも助けようとする姿がとても印象的でした」。「これが日本人の美しい真心と思った」。映画の中で何度も出てくる"真心"という言葉が、高校生の心の中にも深く突き刺さったようです。 その"真心"を日本人の心として、「その日本人の血を受け継いでいることがうれしい」、「日本人であることを誇りに思った」、「日本人の立ち居振る舞いが素晴らしかった」などと書いてありました。「良いことをすれば、その分、しっかりと自分に返ってくる」、「恩は返ってくると信じています」、「ありがとうと言えば、多くの人から、ありがとうが返ってくる」。トルコ政府が救援機を飛ばして、日本人を救出してくれたことに、「恩返し」の大切さを目の当たりにしたようです。感想文を読み終え、この映画、多くの若い人達に見てほしい!それにしても(当時の政治決断をした)大人たちは、何を考えていたのだろうか?と今更ながら残念に思えてなりませんでした。
 この高校生たちだったら間違いなく「日本からも救援機を飛ばそう!!」と、声を上げたに違いありません。

黒沼 範子


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