123号(200712) リストに戻る

小さな人生論 〜致知出版〜

 インターネット最大のブック・サイトであるアマゾンの「アイテム別(人生論に関する)売れ筋ランキング」で古今東西の人生論が並ぶ中で「小さな人生論」が堂々の一位、その続編が二位にランクされているという記事に魅かれ、11月6日に発売の「小さな人生論3」も含め3冊求め読んでみました。
 これは皆様もご存知の月刊誌「致知」の社長で編集長でもある藤尾秀昭さん自ら執筆しているものです。
 藤尾秀昭さんはこのあとがきで「『致知』は毎号、テーマを立て特集を組む編集方針をとっており、その特集テーマを読み解く一文を、雑誌全体の総リードとして掲げています。
 その一つひとつはささやかながら、人生をいかに生きるのかの問いかけになっています。
 『致知』創刊二十五周年の折にそのいくつかを編んで、「小さな人生論」と題して上梓したところ、思いもかけぬ反響をいただくことになりました。
 縁あってこの本に出会ってくださった皆さまの人生に、この小さな本がいささかでも益するものがあり、ここに盛り込まれた言葉のいくつかでも読んでくださる方の心に留まり、自らの人生を振り返るよすがとしていただければ、幸せこれに過ぎるものはありません。
」と結んでおられます。
 ちなみに、今回発刊された「小さな人生論3」には、私が事務所通信113号(平成19年2月発行)でご紹介した小学校の女教師と少年の逸話もありました。今回は、「信念の力」というくだりをご紹介いたします。
 「四十数年も前のことである。京都で数百人の経営者を前に松下幸之助氏が講演をした。その趣旨は、人材も資金もダムのようにプールしておく経営、つまり余裕を持った経営(いわゆるダム式経営論)をしなければならない、ということであった。
 講演が終わって、聴衆の一人が質問した。ダム式経営をしたいのは山々だが、どうすればできるのか秘訣を教えてくれ、というのである。松下氏はじっと考えてから、「わかりませんな」と答えた。そしてこう続けた。「一つ確かなことは、まずダム式経営をしようと思うことです。」
 失笑が会場をおおった。「思うだけでできたら世話はない」「馬鹿にするんじゃない」。そんな声も聞こえた。
 だが、その中でただ一人、頬を紅潮させて松下氏を見つめる青年がいた。京セラを創業して間もない20代の稲盛和夫氏である。そうか、まず思うことなのか。稲盛氏は脊髄の奥に火がついたような感動で心を熱くした。その心の炎が信念となって凝固した。信念とは信じ念じることである。稲盛氏はダム式経営を信じ念じ続けた。その信念は京セラの現在に結晶している。
 『致知』の取材を通して数多くの経営者に接してきたが、一業を成した人には、突出して二つの共通した要素があるのを感じないわけにはいかない。
 一つは「価値を見出す力」である。
 一業を成した人には何事にも独特の強烈な価値を見出すのだ。
 もう一つは、価値を「信じる力」である。
 京セラの創業時、セラミック製造の作業は埃まみれ泥まみれ、汚い、きつい、厳しいの典型的な3K職場であった。若い社員の顔にはうんざりした色が浮かぶ。
 深夜作業を終えると、そんな若い社員と膝を突き合わせてラーメンをすすりながら、稲盛氏は熱っぽく語り続けた。自分たちがやっているのは世界の誰もやっていない仕事なのだ、自分たちは世界の先頭を走っているのだ、と。仕事に見出した価値。それを強烈に信じていたのである。そして、それが京セラのベースをつくったことは言うまでもない。
 価値を見出す力その力を信じる力
 これこそ信念の力である。信じ念じる力が道の無いところに道をつくり、人を偉大な高みに押し上げていくのである。」
 最後に、松下幸之助氏の言葉を再び掲げます。

 「根無し草に花は咲かない。
   信念がなければ人生に花は咲かない」

 私達の日々の生活の中から様々なことに気づき深く物事を考える時間が失われている今日、この「小さな人生論」との出逢いは「心の栄養」をいただいた思いでした。ぜひお読みなられることをおすすめいたします。

黒沼 範子


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