126号(200803) リストに戻る

激流中国

 今年8月の北京五輪開催を控え、中国は経済最優先から真の大国へ向けて、激流のごとく変化しています。そのような中国社会の現状と、それに伴う様々な社会的ジレンマをテーマとして、昨年の4月の開始以来、シリーズ番組となっているのがNHK「激流中国」です。中国国内で何が起きているか、ホットなテーマの現場にカメラが入り、1年あまりにわたって放送しています。シリーズ「激流中国」の最新作「上海から先生がやってきた」は、先日(3月2日)総合テレビで放送されました。今回は、都会の若者たちが農村の救済に立ち上がった教育支援プロジェクトを取材、辺境の貧しい寧夏回族自治区に派遣された超エリート女教師の奮闘を伝えていました。上海の名門大学に通う彼女は、中国でもトップクラスの頭脳の持ち主で、外資系企業からの就職の誘いを断り、恵まれない農民の子弟が通う高校教師を一年間ボランティアとして務めるといった内容でした。酷寒の夜明け前、校舎内からこぼれる微かな電灯の明かりを頼りに教科書の丸暗記に勤しむなど、貧困から脱出しようと必死に大学進学を目指す生徒たちの姿に心打たれました。又、「激流中国」の中で、直面する多くの不条理に苦悩しながら成長する、若き女性エリートリーダーの姿が美しくも逞しく見えました。
 このシリーズの第一作であった「富人と農民工」では、個人資産300億円以上、巨万の富をたった一代で築き上げ、改革開放の波に乗って、富がさらなる富を生み、笑いが止まらない会社社長を紹介する一方で、家族を養うために農村から都会に出てきたものの、ようやく見つけた日雇い労働での600円では、自分が暮らしていくのが精一杯で、そこからはい上がることはできない多くの人々の存在を対照的に映していました。社会の中で格差が広がり、勝ち組と負け組の差が鮮明になっており、今、中国政府が最大の課題とする問題に迫ったドキュメンタリーでした。
 又、永く「一人っ子」政策を実施してきた中国では、一人っ子家庭で親が子を過保護に育てる、いわゆる「小皇帝」問題も指摘されています。こうした親の過剰な期待、教育ブームの過熱ぶりは収まることはないようですが、それが子供たちに重い負担となり、心に暗い陰を落としているということで、中国政府も、学力偏重主義に警告を鳴らし始めたようです。前回の第九作目でこうした教育をめぐる問題を取り上げたのが「小皇帝の涙」でした。
 ところで、このシリーズは、テーマの性格上中国政府批判とも取れる論調も多く見られたため、当局の取材規制が回を重ねるほどに強まり、ややトーンダウンの嫌いが感じられますが、これからも我々日本人にも関心の高いテーマで、中国の変貌の様子を伝えてくれるに違いありません。
 さて、今年も上甲先生の「中国理解講座」に参加する為、7月に北京とモンゴル(内モンゴル自治区)に出かける予定でおりますが、奇しくも今年のテーマは「中国の教育事情〜一人っ子政策の中での加熱する進学校と辺境の教育格差事情」との案内がありました。

平成20年3月 確定申告期真只中
公認会計士  黒 沼  憲

モンゴルの風景

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