150号(201003) リストに戻る

日本がこれからとるべき道

 長期にわたる経済の停滞ですっかり自信喪失状態の日本にとって、追い討ちをかけられたのがこのたびの大量リコール問題(トヨタ問題)でした。アメリカ議会の日本たたきの道具にされたと見る向きもありますが、トヨタ本社が今把握している全ての情報と、これからの対応策など科学的な情報を全て明確にし、企業としての立場を明示することが求められるというものです。公聴会の後に、アメリカのトヨタのディラーや工場従業員たち、いわば"身内"からのエールに涙を見せた豊田章男社長でしたが、同じ日本人として理解したい「誠実の証」も、子供が母親の顔を見た瞬間に泣き出した様なものと、グローバル企業のトップへの風当たりは厳しいもがありました。これで一段落したわけではなく、トヨタにとって苦難の道はこれから始まるのでしょう。
 こんな昨今、「オリンピックも経済も、いつ日本は韓国に抜き去られたのか?」の衝撃(刺激)的な見出しで、週刊誌(週刊新潮3/11号)が日韓比較を報じています。"金6銀6銅2という圧倒的な力の差。ソニーも韓国企業の後塵を拝して久しい。日の丸の旗色が悪くなった理由とその処方箋"と断じられては、さすがに読む前からシュンとなってしまいそうですが、日本の実力はそんなものなのでしょうか。
 これに対して、「なぜ日本だけがデフレなのか」と、いささかネガティブなタイトルですが、内容的には我々に明るい期待も持たせる論文(文芸春秋2月号)もありました。

…確かに日本の自信喪失がいかに異様かは、隣国の韓国を見ればよくわかります。…1997年のアジア通貨危機の際、政治のリーダーシップで乗り切った経験が今に生きている。…韓国自身は悪いことをしていないのに、IMFの政策ミスの「とばっちり」を受け経済危機に陥った。それを一致団結して跳ね返した…。それがいま韓国人の自信につながっている。…日本ではバブル崩壊以降の「失われた十年」のトラウマが残って、…(皮肉な話ですが)他の国なら、十年も危機を引きずれば財政が破綻するのだが、日本は国債の発行がいくら増えても、それを吸収できる貯蓄がある。それが問題解決を長引かせてしまった。…リーマン・ショックは欧米の金融機関の暴走の「とばっちり」に過ぎないのに、今回も危機の責任は自分にあると考えてくよくよする。ふたたび景気は十年低迷するだろう、と思い込んでしまった結果である。…しかし、日本の製造業は今後も日本経済の最大の強みである。…(現在、トラブル中ではあるが)日本の自動車企業の競争力はむしろ高まっている。米国のメーカーは壊滅状態から脱していない。…ドイツ企業は省エネ技術の開発が全く遅れている。…フランス勢も、欲しくてたまらないのが日本企業の持つ省エネ技術なのである。…欧米の製造業の多くで、金融で手っ取り早く儲けようという傾向が強くなり、技術開発が手薄になっている。…近年、日本から多くのノーベル賞受賞者を輩出していることが象徴するように、現在の日本の科学技術水準はやはり高い。…日本人の創造力はまさに驚異的だ。…

(前述の韓国企業がソニーを始めとする日本企業を凌駕しているのは、テレビや冷蔵庫・洗濯機などの白物家電と半導体の分野であり、超ハイテク製品や木目が細かいものづくりという点ではまだまだ日本に一日の長があるようなので、ご安心あれ!)

 ともあれ、今日の過酷なグローバル競争に勝ち抜くためにも、一段と政府の力強いリーダーシップが必須であると思います。

平成22年3月10日
公認会計士 黒沼 憲


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