162号(201103) リストに戻る

「のに」がつくとぐちが出る

 京都大などの入試問題が試験中にインターネットの質問サイトに投稿された事件は、犯人が県内高校の卒業生と判明し、県民なかんずく県教育関係者には大きな衝撃を与えました。事件発生以来、連日トップニュースで報じられ、"公正中立であるべき入試制度の根幹を揺るがす行為"と断罪され、社会問題にもなりました。
 手口が巧妙で単独犯ではできない組織的犯罪とマスコミなどの大方の予想に反して、意外にあっさり犯人逮捕となった。捕まえてみれば、"大山鳴動鼠一匹"とやらになってしまいそうなこの事件に対して、「朝日新聞社説=予備校生逮捕"若者の失敗、どうみる"(3月5日)」は、次のように問題提起しています。
 「…カンニングは、一緒に勉強してきた多くの仲間を裏切る行いだ。社会的影響も大きかった。ただ、日本ではカンニング行為を処罰する法律もない。まだ19歳。処分は慎重に判断すべきだろう。…捕まってみれば、器用だが幼い手口にも思える。世間の大騒動との落差に、ネット社会の今が浮かびあがるようだ。…ネットは匿名社会だと思われがちだが、不正を働けば痕跡をたどることはできる。予備校生も、わずか数日で特定された。各大学や文部科学省は不正受験をどう防ぐか、…カンニングを見抜けなかった大学が、監督態勢を厳しく再点検すべきなのは言うまでもない。他方、大学が最初にこの問題をつかんだ段階で、「不心得者よ、名乗りでよ」と呼びかけるような手立てはなかったか。今思うと、ネットの進化についていけない大人社会が、過剰に反応した面はないだろうか。冷静に考えよう。ネットや携帯のなかった昔から、若者はときにとんでもない失敗をしでかすものだから。」

 さて、私も大好きな相田みつをの名言(詩)に「あんなにしてやったのに 『のに』がつくとぐちが出る」があります。
 日めくりカレンダーで、毎月一回この詩に出会う度、反省しきりの私ですが、先日も愚痴ってしまいました...。
 ついに2月14日、日本は42年間守り続けてきた世界第2位の経済大国の座を中国に渡してしまいました。思えば、この30有余年にわたり、中国の発展に日本の資金や技術がどれほど役に立ったことか。謝意を期待したいのに、先ごろの尖閣事件などの対応ぶりを見聞きしては、ついつい「のに」を連発してしまう(未熟な日本人の)私です。そんな中にも、冷静沈着で大人の見識を持った中国の方々もおられました。

ITエキサイトニュース<中国人が見た日本>

(その1のケース)「日本人は金持ちをうらやましがらない」
 中国のGDPが日本を上回ったことに関して得意げに質問した中国旅行団員に対し、日本財団の笹川陽平会長は「日本のGDPが2位だの5位だのというのは重要でなく、大事なのはお金を社会福祉のために用いて人々が幸せに暮らせること」「幸い日本は世界で最も貧富の差が小さい国の一つだ。一方中国は貧富の差が大きくなっており、すぐに正さなければならない。日本は相続税の制度によって大金持ちの存在を認めていないし、日本の人々は金持ちをうらやましいと思っていない」と回答したことに、大変感銘するとともに、これまで抱いてきた日本(人)のイメージが変わったと述べていた。
(その2のケース)「客室乗務員が語る日本人の素養の高さ」
 日本人が海外旅行をする際、ビザを取得せずとも渡航できる国は多い。反面、中国人のビザ取得は非常に困難だというが、この差は日本人の素養の高さに起因すると、日系航空会社で働く中国人が指摘している。日本人(乗客)は、立場が高くなればなるほど姿勢は低くなり、乗務員にも穏やかな態度で接して労をねぎらってくれる。(こんなことも、ある時)空港内でペットボトルを持ちながら走り回っている子供がいたという。彼女は子供に何か助けが必要かを尋ねたところ、その子供は「どのゴミ箱にペットボトルを捨てればよいのか分からない」と答えたそうで、この小さな子供でもゴミの分別という概念を持っていることに驚いたという。外国人が日本人の教養・素養を中国人よりもはるかに高く評価していることが、ビザ取得の難度の差にも現れる。

 改めて、日本国籍・日本人が我々の「最大の名刺」と、気がついた次第でした。

平成23年3月10日
公認会計士 黒沼 憲


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