179号(201208) リストに戻る

ロンドンオリンピックに想う

ロンドンオリンピックも佳境に入り、テレビは、一日中、タレントやキャスター、解説者までが絶叫して日本のメダルラッシュを報じています。ただ、いつの間にか"ロンドンでは金メダル幾つ?!"から"日本メダルラッシュ(総数)!!"に変わってしまいました。ところで、毎度のことながらマスコミは、メダルの数やメダリストばかりに焦点を当てますが、我が日本も成熟した民主主義国家ならば、最早、スポーツであるオリンピックを国威発揚のために利用する必要はなく、多様な価値観のもと、各々が関心のある競技を、あるいはそれまで知らなかったスポーツを、それぞれの感性で楽しめばいいのではないでしょうか。(メダルの数だけに一喜一憂するのではなく...!)
「ロンドンでは連日、研ぎ澄まされた肉体と精神が躍動している。4年に一度だけ出現する夢舞台で、勝者は輝き、力を尽くした敗者もまた美しい。真剣勝負が、見る者を熱くする。」(朝日新聞/「天声人語」)

さて、オリンピック開催中のこの時期にタイミングを合わせたかのような「日本のスポーツはなぜ駄目なのか」(情報雑誌「選択」8月号の巻頭インタビュー)という興味ある記事が目に付いた。内容は、東大大学院教授の八田秀雄氏への質問形式となっています。

@五輪が始まったが、そもそも日本人はスポーツに向いていますか。
A体格の差を補えませんか。B日本人に向く競技はありますか。
C得意とする柔道やレスリングで、次世代の選手育成があまり
うまくいっていないとの話がありますが。
D育成段階で選手を潰さないためにはどうすればいいですか。

等など、多分、多くの種目で苦戦を余儀なくされるだろうロンドン大会の日本選手団を予想するかのような企画ですが、教授は指摘します。

@...多くの競技・種目が体格によって結果が左右されるということを考えれば、適性があまり高くないと言わざるを得ない。陸上競技などは典型だろう。ほとんどの球技種目もまた、体格によって大きなアドバンテージが生じる。

そしてA...かつてはできた。有名なクイックや時間差攻撃を駆使して世界を撃破したバレーボールの例がある。しかし、世界中が同じことをできる今、先天的要素で劣る日本が勝つのは難しくなっている。

次にB...体格によるハンデがあまりない、レスリングや柔道など体重制の競技は日本人に向いており、実際結果を残してきた。また、日本人は手を使うこと、その技術を極めることを得意とするので、格闘技はもちろんだが、体操などの個人演技競技も、体格要素がほとんどなく、今後も活躍できるだろう。

さらにC...日本の指導者や、若年層スポーツの最大の問題点は勝利至上主義にある。たとえば、日本では駅伝の人気が凄まじく、箱根駅伝を頂点として中学、高校レベルから駅伝を走るためだけのトレーニングを積まされる。ある程度の才能を持つ若い選手はそれをこなせてしまう。しかし、そうした練習を続けてきた選手がマラソンで活躍できないという結論はもう出ているだろう。今回の代表も、箱根で活躍した選手はいない。

最後にD...勝利至上主義の放棄と、指導者改革だがどちらも難しい。矛盾するようだが、十代後半での正しいトレーニングが、その後の選手生活で重要だということが分かってきた。(以上抜粋)

私も常々同様に感じていましたが、特にCに関し、日本のゴルフ界の現状に例えれば、石川遼を筆頭に有望新人が続々と登場して、再び人気も回復傾向にあり慶事であるが、なかなか世界的プレーヤーが出ていない。その原因に、若い(幼い)うちからゴルフ(技術)だけにのめり込み、愚直にボールを打ち込み続ける練習&指導が重視されてはいないだろうか。"止まっているボールを打ち""腕力や全力疾走も必要なく""ゆったりとプレーする"ゴルフ競技は、(体と頭の)基礎体力が十分備わった後でも、大成するのに遅くはない!と(海外で)云われています。ゴルフの帝王ジャック・ニクラウスも、若き日のタイガー・ウッズのプロ転向の時期について、"大学で学業をしっかり修めてからでも遅くない""いろんなスポーツに積極チャレンジをしなさい"とアドヴァイスしたと伝えられています。(もしかしたら、今の彼と一味違うタイガー・ウッズを見れたかもしれません!)

平成24年8月10日
公認会計士 黒沼 憲


リストに戻る

黒沼共同会計事務所 HOMEへ
© Kuronuma Accounting Office Tax Co. 2015 All rights reserved. プライバシーポリシー
免責事項・著作権
− 税理士法人 黒沼共同会計事務所 −
〒990-0047 山形市旅篭町3-1-4 食糧会館3F
山形掃除に学ぶ会