181号(201210) リストに戻る

戦後史ドラマ

 山積する内外の諸課題に対処するためとして、野田首相は第3次内閣の改造を行いました。政権奪取から3年に及ぶ民主党政権下の最後の組閣となりかねない今回の閣僚の顔ぶれは、党内融和と"近いうち"の解散総選挙を意識した人事とも思えるものでした。この時期、消化試合に望むようなメンバー編成で、わが国は大丈夫なのでしょうか。

 さて、日本を取り巻く厳しい国際情勢に危機感を持ちながら、今話題の「戦後史の正体」(孫崎享・創元社)を読みました。私共のクライアントである新潟のアイダ商会の会田社長から頂いた本で、日本の戦後政治の「常識」を覆す内容を多く含んでいますが、本来は「高校生にもわかるように日米関係を解説する」趣旨で企画されたとのことで、非常にわかりやすく書かれたものです。(「池上彰の時事解説」にも似たところがあります。)
 終戦の年生まれの私にとっては、我「新生日本」誕生の歴史や秘話の探求の意味合いも込めて興味を持って読み始めました。そんな折に、鳴り物入りで始まったNHKの吉田茂ドラマでの評価に当惑しながら、いささか混乱の中でようやく読み終えました。このページで紹介しきれるような内容ではありませんが、大筋としては、敗戦後のアメリカ軍による日本占領以来、日本の政治経済は、アメリカの国益を最優先として支配されてきており、その状態は今も変っていないということ。これを政治家の系譜として見れば、「アメリカ追従路線」と「自主独立路線」との消長の歴史であった由。大ざっぱに言いますと、比較的に安定長期にわたる「アメリカ追従」と、短期不安定で終る「自主独立」との交代の繰り返しだったといえましょうか。
著者の元エリート外交官でもある孫崎享(まごさき・うける)氏によると、マッカーサーのGHQ政治の中で、臆せずマッカーサーに対峙し、米国の再軍備要求を拒否続けたと多くの国民が理解していた吉田茂像も、真逆の評価を受けるのです。

 ところで、9月から始まったNHKドラマ"負けて、勝つ"〜戦後を創った男・吉田茂〜は、毎回、冒頭に『これは史実をもとにしたフィクションです』とテロップが流れたり、読み終えた「戦後史の正体」で述べられた吉田像と大きく異なりますが、ドラマはかなりの感動ものです。(5回連続の最終回は10月7日)命をかけて日本の復興に全力傾ける(ドラマの中の)吉田茂、命がけで体重を10キロ近く増やし役に魂を吹き込む渡辺謙、昭和史のフィクションドラマとしては秀作です。
 さらに、若き日の「白洲次郎」や、「池田勇人」「佐藤栄作」「田中角栄」「大平正芳」「宮沢喜一」歴代首相の熱き血潮がみなぎる青春群像も垣間見れます。

 一国の総理の評価においても"ばっさりと裁断できる"表現の自由が保証される我日本、「歴史教育」が徹底され、「反日」一色に思想が画一化されるような隣国と比べれば、知性・品格・民族性など多くの点で「日本」が輝いているような気がします。

平成24年10月10日
公認会計士 黒 沼  憲


リストに戻る

黒沼共同会計事務所 HOMEへ
© Kuronuma Accounting Office Tax Co. 2015 All rights reserved. プライバシーポリシー
免責事項・著作権
− 税理士法人 黒沼共同会計事務所 −
〒990-0047 山形市旅篭町3-1-4 食糧会館3F
山形掃除に学ぶ会