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平成30年度税制改正の概要(法人税)

平成30年度の税制改正のうち今回は法人税の改正について概要を解説致します。

 近年の税制改正はデフレ脱却と経済再生を重点課題として様々な施策が行われてきました。ここ数年と比較すると、法人税に関して平成30年度では大きな改正項目は少なめです。大企業に対しては税制の恩恵を受けるための条件を厳しくして積極的な対応を求める一方、中小企業(資本金1億円以下等)に対しては比較的税制の恩恵が受けやすく条件設定されています。  

1.所得拡大税制の改正

 所得拡大税制は平成25年の税制改正で整備され、雇用者の給与が基準年度を一定割合上回ること等を条件として、その賃上げ額の一定割合を税額控除する制度です。平成30年度の税制改正により、その控除するための要件等が見直されました。

項目 従前の制度(中小企業) 改正後の制度(中小企業)
要件 ・給与支給総額が前年度以上
・基準年度(H24年度)より一定割合(3%)増加
・平均給与支給額が前年度以上
・平均給与支給額が前年度以上
(前期・当期ともに12ヶ月間の支給者で比較)
・給与増加割合が前年度比1.5%以上
税額控除 ・基準年度(H24年度)からの増加額の10%
・増加割合が一定度(3%)を超える場合、その超過部分について12%を上乗せ(計22%)
※但し、税額控除額は法人税額の20%を限度
・給与の前年度増加額の15%
・給与の増加割合が2.5%以上でかつ、教育訓練費増加等の要件を満たすと、10%上乗せ(計25%)
※但し、税額控除額は法人税額の20%を限度

 このように、中小企業にとっては従業員の教育を積極的に行うことで、より税制の恩恵を受けられる制度となっています。 尚、大企業に対しては、設備投資に係る要件(減価償却費の90%以上であること)も追加され、給与の増加割合の要件も厳しくなっています(3%以上の増加)。

2.長期割賦販売の延払基準、返品調整引当金制度の廃止

 国際会計基準を踏まえた収益(売上)認識基準が会計制度に導入(H30.4.1以後開始事業年度から早期適用可)されたことに伴い、税務上も収益(益金)計上に関する規定を明確化しました。原則として目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度に収益計上することになります。このため下記制度が廃止になります。

  1. 長期割賦販売の延払基準が廃止されます(経過措置あり)

    但し、H35.3.31までに開始する事業年度までは延払基準が適用でき、終了時の繰延割賦利益額は10年間均等に収益計上するか、一括収益計上することになります。
    なお、ファイナンス・リース取引については、現行どおりです。
  2. 返品調整引当金も廃止されます(経過措置あり)

    但し、H33.3.31までに開始する事業年度まで従前の引当計上ができます。その後は、税務上の引当限度額が毎年1/10ずつ縮小する経過措置が整備されています。
    上記改正は業種が限られますが、損益計算書に与える影響が大きいため留意する必要があります。

3.適用期限の延長

 中小企業に広く活用されている@交際費の損金算入の特例(800万円/年)及びA少額減価償却資産(30万円未満)の損金算入の特例については、2年間の延長がされています。


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