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資金繰りに直結する繰越欠損金の活用 期限が7年⇒9年に延長

 企業活動には絶好調の時もあれば不調の時もあり、それを強制的に1年ごとに区切る結果、やむを得ず赤字決算の年になることがあります。

 税務では、黒字決算の利益(所得)に課税し、赤字には課税しません。また赤字(税務では「欠損金」と呼ぶ)と将来の利益(所得)との相殺(控除)ができるので、赤字残(欠損金残)が無くなってから、あらためて課税することになっています(住民税均等割や外形標準課税分は赤字でも納税が発生します)。これが、「繰越欠損金の所得控除」という制度です。

 平成20年4月1日以後に終了した事業年度で発生した欠損金から、繰越期間が、従来の7年間から9年間に延長されました(個人事業者の場合は3年のままです)。
 税金の納付は資金繰りに直結しますので、もし欠損金が発生したら合理的に活用したいものです。
 下記の事例は、平成21年3月期で84の赤字で、翌年から毎年10の利益が出る場合です。

年目     1年目 2年目 3〜7年目 8年目 9年目
決算期   H21.3期 H22.3期 H23.3期   H29.3期 H30.3期
所得 @ △84 10 10 10 10 10
所得控除 A   10 10 10 10 4
課税所得 B=@−A 0 0 0 0 0 6
税額 B×税率 0 0 0 0 0 2
繰越
欠損金残高
前年残高−A △84 △74 △64 △14
(7年目末)
△4 0
備考     従来はここで控除終了でした→ 追加2年間控除可能

  1. 上記の例では、H21.3〜H30.3期にわたる各年度とも、青色申告が条件です。
  2. 上記の例の場合、会計帳簿の保存期間は7年を超えてH21.3期に関する帳簿書類を繰越期間中のH30.3期まで保存しなければなりません。
  3. 資本金1億円超の法人と、資本金1億円以下でも資本金5億円以上の法人の完全子会社は、当年度所得の80%に欠損金控除が制限されます(H24.4.1以後開始事業年度より適用)。

帳簿書類等の保存期間は何年?

 帳簿書類の保存期間に関するお問い合わせを頂くことがあります。保管スペースの問題もありますが、法令上は下記のとおりです。
 帳簿書類の保管箱に廃棄予定年月を明示すると、整理整頓に役立ちます。決算終了後の業務に、こうした期限の明示や、過去の書類の整理(廃棄)を組み入れてはいかがでしょうか。

文書名 根拠条文 期間
計算書類及び附属明細書
(貸借対照表、損益計算書、
 株主資本等変動計算書、個別注記表)
会社法435条

10年

(通常は永久
保存でしょう)

青色申告会計帳簿
(仕訳伝票、総勘定元帳、現金出納帳、
 固定資産台帳、売掛帳、買掛帳等)
法人税施行規則
59条第1項第1号

申告期限から

7年

棚卸表 同第2号
取引に関する書類
(先方からの注文書、契約書、送り状、
 領収書、見積書、請求書等と、
  自社作成のこれらの書類)
同第3号
賃金台帳、労働者名簿等 労基法109条

3年


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