掃除に学ぶ会とは ―

掃除に学ぶ会の起点

「トイレが汚れていると、人の心が荒む」というのが、私のかねてからの考えでした。

 まず、自分の会社のトイレ掃除を社員の人達と一緒に徹底してやり続けました。平成5年に岐阜県明智町(別称:日本大正村)という山間の小さな町のある集まりに参加しまして、その折に「トイレがきれいになると会社が変わる」と話したところ、「この明智町でやりたい」ということになりました。

 最初に集まった有志が35名でした。これが契機になって、学校の先生方のご理解を頂き学校をお借りして、トイレ掃除の活動をするようになりました。自分を下坐に置くことによって穏やかな心になろう、という主旨のこの活動が「日本を美しくする会」となって全国に広まりまして、現在では全国各地に波及し、延べ10万人以上の方が参加されています.。さらに、ブラジルをはじめ海外にまで運動は広がり参加される方々が増えています。

 学校のトイレ掃除は用具が充分に揃っていないこともあって、今のところ徹底しているとは言い難い状況です。日本を美しくする会の人達の手によって、きれいに変わっていくトイレを見て、先生方や子供さんたちにも運動の輪がしだいに広まっております。「うちの子がきれいに掃除をしてくれるようになった」とご両親から感謝の手紙をいただくことも、しばしばです。

〜日本を美しくする会 相談役 鍵山秀三郎 氏〜

なぜトイレ掃除なのか?

1.謙虚な人になれる

どんなに才能があっても、傲慢な人は人を幸せにすることはできない。人間の第一条件は、まず謙虚であること。謙虚になるための確実で一番の近道が、トイレ掃除です。

2.気づく人になれる

世の中で成果を上げる人とそうでない人の差は、無駄があるか、ないか。無駄をなくすためには、気づく人になることが大切。気づく人になることによって、無駄がなくなる。その「気づき」をもっとも起こさせてくれるのがトイレ掃除です。

3.感動の心を育む

感動こそ人生。できれば人を感動させるような生き方をしたい。そのためには自分自身が感動しやすい人間になることが第一。人が人に感動するのは、その人が手と足と身体を使い、さらに身を低くして一所懸命取り組んでいる姿に感動する。特に、人の嫌がるトイレ掃除は絶好の実践です。

4.感謝の心が芽生える

人は幸せだから感謝するのではない。感謝するから幸せになれる。その点、トイレ掃除をしていると小さなことにも感謝できる感受性豊かな人間になれます。

5.心を磨く

心を取り出して磨くわけにいかないので、目の前に見えるところを磨く。特に、人の嫌がるトイレをきれいにすると、心も美しくなる。人は、いつも見ているものに心も似てきます。

鍵山 秀三郎

(かぎやま ひでざぶろう)

1933年生れ。東京大空襲を機に岐阜県上之郷村に疎開。岐阜県立東濃高校を卒業。単身東京に出て1953年デトロイト商会入社。1961年同社を退社。(株)ローヤルを創業。平成9年10月(株)イエローハットに社名変更。平成10年6月をもって社長退任、相談役に就任。平成5年11月「日本を美しくする会」を創唱。その後全国各地に「掃除に学ぶ会」が誕生し、その輪を広げつつある。

ひとつ拾えばひとつだけきれいになる

大切なことは、一歩を踏み出す勇気。一歩を踏み出さなければ前に進むことはできません。具体的には、足元のゴミを拾う実践から始めることです。足元のゴミひとつ拾えぬ人間に何ができましょうか。

環境省より、環境保全功労者における表彰を受けました。
(日本を美しくする会公式ページにリンクしています)

運営構成

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