昨年2月の「はたごまち生き活き講座〜幹部社員編」の中で、志ネットワーク代表 上甲晃先生から「松下幸之助に学ぶ〜今こそ底力を養おう」のご講演をいただきましたが、底力を養うキーワードとして、「誰でも出来る当たり前のことを、誰も真似できないほど徹底的に掘り下げ、思考し且つ追及・実行すること、、、しかも楽しく!」と話されました。当日講演を聴かれ奮い立った9社の方にエントリーいただき、「当たり前グランプリ2010」の取組がスタートし、約10ヶ月間の研鑽の結果発表会を5日(土)開催いたしました。
当日はこの「当たり前グランプリ」開催のきっかけをいただいた上甲先生からもご多忙の中、遠路駆けつけ審査いただいたり、終始温かく見守っていただいた座長の和田英光さん(おやじ日本山形 代表)、参加企業の役員の方からもご一緒いただきました。加えてこの「当たり前グランプリ」に関心を持ちながらもエントリーできなかった皆さんからも、オブザーバーとして加わっていただき、60名の皆様見守る中、いよいよ各参加企業の皆さんの発表が始まりました。次々と登壇しそれぞれの「我社の当たり前の実践」を、緊張のうちに7名の発表が続きました。
参加企業さんの発表から
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今回をキッカケに、ゴミの分別活動、紙のシュレッダー処理などルール化を行い、かなりの手応えを感じることができました。この様な事がなかったら…と考えると、経費や環境などを悪化させていたかもしれません。
参加各社の皆様の取組も大変勉強になりました。「ゴミゼロ」活動は、我々がまだまだ実践しなければならない事がたくさんあります。我々社員の「せめて私だけは…」という心掛けで、「もっともっと強力な活動=強い会社づくり」になると思っています。
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整備・清掃という頂上のない(終わりのない)事の難しさを痛感したと共にいくらでもアイデア次第で変えられ実践・向上できる面白さを学べたと思います。
もっと早い時期に会議で議論していれば、もっといろいろ改善できたのでは…と残念な部分もありますが、今期で終わりという事ではなく、社訓の『凡事徹底』の通りにこれからも改善をし続け弊社の「当たり前」まで昇華させるべく続けてまいります。
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「そこまでやるか」の先に見えたものは、「全員で…」という意識が、様々な波及効果を生じさせる結果になりました。
社員同士の繋がりやお客様との関係に自然と笑顔がでるようになりました。また、いろいろな気づき、挨拶を追及していく中で、自分たちに足りないもの・欠けているものを自覚することができました。自発的な行動、改革・改善の意識の萌芽であったと思います。
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目標を本当に当たり前な挨拶としましたが、思い描いたものの10分の1にも満たない結果となったと思っております。しかし、皆さん各社のご意見を拝聴し、やりたい事、やるべき事がはっきりと見えて来ましたので、当たり前グランプリの結果は散々でも、これからするべきウォーミングアップ期間となり、今後につながる良い経験となりました。
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今後の課題をきちんとつかむことができました。スタッフミーティングのあり方について/飽きさせない取り組みの創意工夫/全員参加の難しさ/継続することの難しさ、沢山の気づきをいただきました。
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グランプリが始まった頃は「挨拶ぐらい1年で当たり前に皆できるだろう」と思っていましたが始めてみると、予想以上に皆をまとめる難しさや当たり前の事を当たり前にやる事の難しさを教えられました。委員会ではないメンバーも挨拶の難しさや社内規律の見直しなど、今までは見過ごしていた部分の見直しにもなり良かったとの声も聞かれました。
グランプリの投票の結果はなんと同数で3社並び(想定外)、最終評定は「運も実力のうち」と、“最後はじゃんけん”で、グランプリを決定するほど、参加企業の成果は均衡していました。
社員の方々の発表を初めて聞いた参加企業の社長さん方からは、「感動した」「ご苦労様」「成長した」という社員をねぎらう言葉がしきりでした。口先だけでない実践したことの発表は、全ての人の心に響くのだと改めて思ったところです。
上甲晃先生はご講話の中で、
「この『当たり前グランプリ』、富士登山でいえば今日が登山口に立ったところ、これから10年続けて頂上を目指すという『本気』が会社の底力を養う。また、底力(そこぢから)とは、会社の底から湧きあがってくる力、地響きを立てるような力のことである。」
と仰いました。
最後に、この「当たり前グランプリ」を結果発表会まで続けてこれた大きな要因は競いあう仲間がいたということに尽きると思います。まさしく、「一人の一歩より百人の一歩」の実践でした。これからも皆様とご一緒に実践を通して底力を養って行きたいと強く思った次第です。(文責:黒沼範子)